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舌小帯短縮症治療の危険性・ハサミサミ切開とレーザー切開のリスク

目次

 舌小帯短縮症治療の危険性:ハサミ切開とレーザー切開のリスク

舌小帯短縮症の治療には、ハサミでの切開やレーザー切開が一般的ですが、これらの方法には深刻なリスクが伴います。特に、舌下動脈やオトガイ下動脈を傷つけることで、大量出血や呼吸困難などの重大な合併症を引き起こす可能性があります。以下に、その具体的な危険性について説明します。

1. ハサミでの切開のリスク

1.1 大量出血のリスク

ハサミで舌小帯を切開する際、誤って舌下動脈やオトガイ下動脈を傷つけることがあります。これにより、重大な出血が発生し、迅速に止血しなければならない状況に陥ります。出血が続くと、口底部に血腫が形成され、呼吸困難を引き起こす可能性があります。

1.2 癒着と瘢痕拘縮

ハサミでの切開後、適切な縫合が行われないと、傷口が癒着しやすくなります。また、瘢痕拘縮(瘢痕組織が収縮して硬くなること)が起こることで、舌の動きがさらに制限され、発音や食事に支障をきたすことがあります。

1.3 感染のリスク

口腔内は細菌が多く存在するため、切開した傷口が適切にケアされないと感染のリスクが高まります。感染症は治療を複雑にし、回復を遅らせる可能性があります。

2. レーザー切開のリスク

2.1 深度の制御が難しい

レーザー切開は、高精度で行うことが求められますが、切開の深度を正確に制御するのは難しいことがあります。深く切りすぎると、舌下動脈や他の重要な血管を損傷するリスクが高まります。

2.2 熱損傷のリスク

レーザーは高温を使用するため、周囲の組織に熱損傷を引き起こすことがあります。これにより、舌の感覚が鈍くなったり、動きが制限されたりする可能性があります。

2.3 血管損傷による出血

特に舌下動脈やオトガイ下動脈を損傷すると、大量出血を引き起こす可能性があります。これは非常に危険で、迅速な医療対応が求められます。

3. 舌癒着症の治療中に起きた事故

3.1 レーザー治療による舌下動脈損傷

一昨年、舌癒着症の治療中にレーザーを使用して舌下部を切開した際、舌下動脈を深く切りすぎて損傷させる事故が発生しました。切れた動脈付近を大きく縫合することで止血はできましたが、その結果としてオトガイ舌筋を縫合してしまい、舌が上に挙がらなくなってしまいました。

3.2 大量出血と緊急対応の必要性

舌下動脈やオトガイ下動脈の損傷は、大量出血を引き起こしやすく、迅速に止血するためには専門的な医療対応が必要です。特に、頸部からアクセスして舌下動脈をクリッピングするなど、高度な外科手術が求められる場合があります。

4. インプラント治療の死亡事故

舌下動脈損傷のリスクは、舌小帯短縮症の治療だけでなく、他の歯科治療にも関連しています。インプラント治療中に下顎の骨をドリルで貫通し、舌下動脈を損傷した結果、大量出血を引き起こし、最終的に死亡事故に至ったケースも報告されています。

5. 安全な治療のための推奨事項

5.1 専門医による診断と治療

舌小帯短縮症や舌癒着症の治療は、経験豊富な専門医による診断と治療が求められます。専門医は、適切な治療法を選択し、リスクを最小限に抑えるための対策を講じることができます。

5.2 自然療法の検討

舌トレーナーを使用した自然療法も有効な治療法の一つです。舌の筋肉を鍛えることで、舌小帯短縮症の影響を改善することができます。手術を避けたい場合は、自然療法を検討することをお勧めします。

5.3 正確な情報の収集

治療法を選択する際には、正確な情報を基に判断することが重要です。舌小帯短縮症に関する正しい情報を収集し、リスクと利益を十分に考慮した上で、最適な治療法を選びましょう。

まとめ

舌小帯短縮症の治療において、ハサミやレーザーを使用した切開手術はリスクが大きく、安全性に関する懸念があります。特に、舌下動脈やオトガイ下動脈を損傷するリスクが高く、大量出血や永続的な障害を引き起こす可能性があります。したがって、治療を検討する際には、専門医の診断を受け、自然療法も含めた安全な治療法を選ぶことが重要です。正しい情報を基に、慎重に治療法を選択し、子供の健康と幸福を最優先に考えましょう。