舌小帯短縮症手術を失敗しないために重要なこと
(幼児対応・最終完成版)
舌小帯短縮症の手術を失敗しないために、まず理解しておかなければならないことがあります。
それは、「手術をすれば舌小帯短縮症は治る」と思わないことです。
短期間で退化し、動かなくなった短い舌小帯(=動かない舌)を回復させるには、
舌の筋力トレーニングが不可欠です。
舌小帯は「使わないと角化する組織」である
舌小帯は、生まれたばかりの赤ちゃんの時は
柔らかい粘膜性の組織です。
しかし、舌を動かさない状態が続くと、
この柔らかい粘膜は次第に角化し、
硬く、弾力性のない結合組織へと置き換わっていきます。
大人の舌小帯が
・白っぽく
・硬く
・伸びない
のは、長年ほとんど使われてこなかった結果です。
なぜ「生まれたばかりの赤ちゃん」だけ手術が有効なのか
👉 何もしなくても手術が有効なのは、生まれたばかりの赤ちゃんだけです。
新生児の舌小帯は
・薄い膜状
・柔らかい
・角化していない
ため、
舌が本格的に動き出す前に
ハサミで軽く切開するだけで
舌の可動域を確保できます。
それ以降の年齢では、
筋トレなしの手術は基本的に無効です。
【極めて重要】舌小帯を「切ってはいけない部位」
❌ 舌小帯の真ん中を切ってはいけません。
真ん中を切ると、
傷口がひし形に広がり、
瘢痕化・癒着を起こしやすくなります。
これでは
・舌は上がらない
・可動域は広がらない
・むしろ動きが悪化する
という結果になります。
正しく切るべき部位は「舌先側」
舌小帯短縮症の本質的な原因は、
舌小帯の上部、舌先側の吊れです。
👉 この部分をリリースしなければ、ハート舌は絶対に治りません。
【重要追記】幼児の場合の原則 ―「本人主体」
幼児の場合は、治療の考え方が赤ちゃんとは根本的に異なります。
まず行うべきことは、
👉 本人に舌トレーナーを使って、自分で舌を引っ張らせることです。
このとき最も大切なのは、
「なぜ舌を引っ張るのか」を本人に理解させることです。
・なぜ舌が動かしにくいのか
・動かせるようになると何が変わるのか
・手術をしなくても改善する可能性があること
これを、年齢に応じた言葉で説明してください。
幼児において「理解」と「選択」は不可欠
十分に舌を引っ張れるようになり、
舌小帯がある程度伸びてから、
👉 手術をするかどうかは、本人に決めさせてください。
なぜなら、
幼児期の手術は、強いトラウマになる可能性があるからです。
・押さえつけられる
・痛みや恐怖を伴う
・理由が分からないまま行われる
この体験は、
その後の医療不信、口腔過敏、治療拒否につながることがあります。
幼児における手術は「最後の選択肢」
幼児の場合、
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舌トレーニングで改善できる可能性がある
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本人が理解し、納得できる
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本人が「やりたい」と言う
この条件が揃って、
初めて手術を検討すべきです。
手術は
急ぐものではありません。
まとめ(最終原則)
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舌小帯は使わないと角化する
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新生児だけが筋トレなしでも手術が有効
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それ以降は「動かしてから切る」が原則
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真ん中を切る手術は失敗の元
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ハート舌は舌先側をリリースしなければ治らない
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幼児は「本人理解・本人選択」が最優先
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手術はトラウマになりうる
舌小帯短縮症は、
**「切る病気」ではなく、「機能を育てる問題」**です。
そしてこれからの時代、
人間も
犬や猫並みに舌を動かす意識
が必要になると、私は考えています。