お知らせ
舌小帯短縮症手術で「失敗」する理由
舌小帯短縮症手術の「失敗」が起こる理由
私は35年以上にわたり、舌小帯短縮症の手術後経過を診てきました。
同じ手術手技で行っているにもかかわらず、舌下部の縫合部が異常に硬くなる症例が、時々存在することに長年疑問を抱いていました。
その違いが何によるものなのか、ずっと分からなかったのですが、最近ChatGPTに質問を重ねる中で、ようやく一つの答えにたどり着きました。
それは、術前・術後に舌トレーナーなどで舌をしっかり動かしていたかどうか、という点です。
多くのお母さんは
「手術をすれば舌小帯短縮症は治る」
「手術がゴール」
と考えています。
しかし、切っただけでは、舌の動きは以前とほとんど変わりません。
犬や猫は、常に舌を使っています。
舐める、水を飲む、食べる――舌は常に大忙しです。
一方、赤ちゃんの舌はどうでしょうか。
哺乳以外では、ほとんど動いていません。
つまり、使われないことで、舌はどんどん退化していくのです。
本来、赤ちゃんは
・指しゃぶり
・おしゃぶり
を通して、自然に舌のトレーニングをしています。
ところが、この重要性を知らないお母さんは、何も行いません。
その結果、舌はますます動かなくなり、哺乳障害が起こります。
そこで助産師に相談すると、
「舌小帯短縮症が原因ではないか」
と説明され、小児科医や、いわゆる「舌癒着症」を扱う歯科医を紹介されます。
しかし、そもそも動いていない舌に対して、
小児科医がハサミで切ったり、
歯科医院でレーザー切開を行っても、
舌の機能は改善しません。
小児科医は
「哺乳できるようになりました」
とお母さんに説明しますが、実際には傷口が癒着し、かえって舌の動きは悪化していることが多いのです。
そして術後1か月ほどで、
「外科的処置はここまでです。あとは言語聴覚士に相談してください」
と丸投げされます。
結果として、何も良くなっていないどころか、むしろ悪化しています。
実は、舌小帯短縮症において最も効果的なのは、
生まれた直後の時期です。
生まれたばかりの赤ちゃんの舌小帯は、
まだ薄い膜状で、舌が本格的に動く前の状態です。
この時期に、ハサミで軽く切開することが、最も理にかなっています。
50年前、産婆(現在の助産師)が行っていた方法こそが、
実は最も正しかったのです。
