お知らせ
舌小帯短縮症の手術を受ける前に最低限知っておくべきこと
目次
厚生労働省で認められている舌小帯短縮症の手術は、歯科の口腔外科の「舌小帯形成術(ぜつしょうたいけいせいじゅつ)」だけです。それ以外の小児科医の舌小帯外来や歯科医のレーザー切開や舌癒着症手術では治りません!一度手術した舌小帯はオトガイ舌筋と癒着しているため再手術不可!
これは昔、産婆さんが生まれたばかりの赤ちゃんで短い舌小帯の場合におっぱいの吸い付きが悪かったので、無麻酔でハサミでチョンと切りっぱなしにしていました。
しかし、当時の厚生省(現:厚生労働省)は医療行為と言うことで、歯科の口腔外科の「舌小帯形成術」を保険診療に導入しました。
全身麻酔で行うため一般の小児科医、歯科医、耳鼻咽喉科医に普及しませんでしたが、舌小帯をチョンと切れば良いという考えが一部の小児科医や歯科医の間に根強く残っていて、現在に至っています。
舌小帯形成術(舌小帯切離移動術)
1.表面麻酔を行う。
2.局所麻酔を行う。
3.コッヘルまたは糸を舌先に通して上に引っ張り挙げる。
4.ハサミで舌小帯を切る。
5.傷口がダイヤモンド型に広がる。
6.縫合する。
注意!:縫合する際に舌小帯だけ縫合することと、オトガイ舌筋まで縫合すると癒着の原因になるので残った舌小帯同士で縫合すること。縫合した糸は翌日には取れてしまうのが良い。(縫合糸は溶ける糸を使用しているが、何時までも残っているとやはり癒着の原因になる。)
小児科医の舌小帯切開(ハサミで切りっぱなし)
1.麻酔は表面麻酔だけ。
2.ハサミで舌小帯を切りっぱなしにする。(舌は引っ張り挙がっていない状態で切っている)
3.傷口がダイヤモンド型に広がる。 レーザーでも同じで舌小帯が焼けて
本来は舌小帯とオトガイ舌筋は離れているが、 固くなり、オトガイ舌筋と癒着する。
ハサミで切ったことで傷口が広がり、
舌小帯とオトガイ舌筋は癒着する。
4.癒着と瘢痕拘縮が起こる。
癒着した場合の手術は、”剥離手術(はくりしゅじゅつ)”文字通り舌小帯とオトガイ舌筋を剥がすのですが、癒着と瘢痕拘縮(はんこんこうしゅく:ひきつれ)があるため不可能です。
舌小帯短縮症手術は再手術できません。一発勝負です。
このハサミでチョンと切りっぱなしは昔の産婆さんがやっていた方法と殆ど変わりません。
この方法は“生まれたばかりの赤ちゃんの薄い膜状の舌小帯だけ有効”でそれ以降は舌小帯は角化が始まり、“癒着と瘢痕拘縮(はんこんこうしゅく:ひきつれ)”になってしまう。
これが歯科の口腔外科の舌小帯形成術との違いです。
舌小帯形成術は舌を糸で引っ張り挙げた状態で切って縫合するが、小児科医の舌小帯切開は切りっぱなしで傷口が癒着と瘢痕拘縮を起こす。
小児科学会は1985年頃から舌小帯短縮症のハサミでチョン切りっぱなしは傷口が感染したり、癒着と瘢痕拘縮するので禁止!癒着した舌小帯は再手術不可!
みなさんは非常勤の小児科医のことを舌小帯短縮症の名医とウソの情報を吹き込まれている。
1985年頃に、産婆がやっていた舌小帯をハサミでチョン切りっぱなしは傷口が感染したり、癒着と瘢痕拘縮するため禁止されそれから2014年まで干されていました。
更に追い打ちをかけるように、1994年にノルウェーの乳幼児突然死症候群の国際学会で舌癒着症が「日本で乳幼児突然死症候群が少ないのは舌癒着症の手術をしているから。」と発表して小児科学会は大慌て。
2001年に舌癒着症を舌小帯短縮症と同じものと勘違いしたまま、小児学会は全国的に禁止しました。
2014年舌小帯シンポジウムが東京医科歯科大学で行われ、小児科医の「哺乳障害を伴う舌小帯短縮症患児に対する舌小帯切開の有用性」が舌小帯短縮症手術反対派の仁志田医師の後にお披露目。
1985年来から一人の小児科医は小児科学会が舌小帯切開(ハサミでチョン切りっぱなし)を禁止されて、国内では25年近く手術が出来なかったのに(海外では有名だった?)「哺乳障害と舌小帯短縮症手術の有用性」という海外の論文をまとめて論文が学会に通ったようです。
それから2015年にMT病院で343名、総合病院舌小帯外来150名、現在は東京G医科大学付属病院舌小帯外来で赤ちゃんをタオルで簀巻きにして、ベルト固定して舌小帯をハサミで2回チョン切りっぱなしをしているようです。
1985年からの反省で、ハサミは1回でなく、舌の根元にもう一度深く入れるそうです。
それと手術後に親御さんに赤ちゃんの舌を引っ張らせるストレッチをさせるようですが、素人ができるはずありませんし、切った跡から出血してしまいます。1ヶ月間1日4回の舌マッサージをする。
そして1週間後に癒着があれば指で剥がすとホームページに書かれていますが、麻酔もなしに指で剥がすのは不可能で、殆どのあかちゃんは「癒着無し」とウソを言い、放置するようです。
更に1か月後の診察では、「舌が上がるようになっていないのではないか、ハート舌が治らない。」と相談すると、「ハート舌はすぐには治らないし問題ない。治療は終了したので様子を見て気になるならあとは言語療法士でリハビリが必要だ。」と言われ診察は終了。
非常勤小児科医の目的は、舌小帯短縮症による哺乳障害は舌小帯切開(昔、産婆さんがやっていたハサミでチョン切りっぱなし)が有効かどうか検証実験することで、舌小帯短縮症が治るとかハート舌が治るとは言っていない。
その哺乳障害も手術後1か月後体重が増えたら効果があった、母親が満足しているかの実験験結果である。
主観的な結果では無く、客観的に手術前後で母乳が何ml飲む量が増加、舌小帯短縮症が治ったのかどうかです。
ですが、この小児科医の目的は舌小帯短縮症の治療では無く、舌小帯短縮症・上唇小帯短縮症の赤ちゃんの哺乳障害が舌小帯切開と上唇小帯切開で有用性があるかないかです。
実際の論文には、「プロスペクティブ(前方視的)
この小児科医の著書には、「舌小帯切開が保険点数に無いので『舌小帯形成術』で請求した。1歳以上の哺乳障害の無い検証実験対象外のお子さんには全身麻酔で舌小帯を切り縫合した。これは舌小帯形成術だが点数が低いので舌繋瘢痕性短縮矯正術(ぜっけいはんこんせいたんしゅくきょうせいじゅつ)で不正請求した。」と書かれている。
舌小帯短縮症が治らないのを知ってはっきり言って『犯罪』です。
この方法でMT病院343名、総合病院舌小帯外来150名、現在は東京G医科大学付属病院で保険診療外の「舌小帯切開(ハサミでチョン切りっぱなし)」を「舌小帯形成術」で不正請求しているのに「指導」や「保険医取り消し」が未だ医療機関に無いのはどうなっているんでしょう?
私自身、10年前に「舌小帯形成術」の保険請求を毎月10名近く請求していて、その内静岡県国民健康保険が数名もなかったのに、昼休みに国保審査会の富士市の歯科医から「井出先生、毎月『舌小帯形成術』の請求頻度が多すぎます。殆ど県内で出ない治療です。気を付けてください。」と言う電話をいただき、逆に「では具体的にどういう風に気を付けるのですか?」と聞き返したところ、「とにかく突出してはいけない。指導が入りますよ。」と言われました。